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まずは、Talkwalkerのクイックサーチによる2021年12月〜2022年5月まで(6か月間)のユニクロに関する投稿及びエンゲージメント数 をご覧ください。高いエンゲージメントを獲得していることがわかります。
2021年12月〜2022年5月まで(6か月間)のユニクロに関する投稿及びエンゲージメント数
グローバル企業へと上り詰めたユニクロは、その事業ステージに合わせマーケティング手法を変化させ成功を収めています。ユニクロの成功事例を貴社のブランドへご活用ください。
ユニクロのファッションコンセプトは「LIFE WARE : 究極の普段着」です。シンプルかつ高品質な製品は属性を絞らず、年齢・性別や人種に関わりなく広いターゲット層の確保に成功しています。さらに、個性を抑えた製品は汎用性の高い「究極の普段着」としての地位を確率し「衣服に興味のない人」もターゲットに含むことに成功しています。
また、このようなシンプルなデザインは流行の影響を強く受けることなく、開発した製品を長期に売り続けることを実現しています。代表的な製品としては、ヒートテックやウルトラライトダウンやフリースなどです。ヒートテックは、2003年に東レ社との共同開発により誕生した人気の製品ですが、着心地・快適性を追求した研究開発段階では100以上のプロトタイプ、10,000着以上の試作品が作成されています。
ユニクロは、商品の企画から店頭販売までに時間を要するものの(約1年〜1年半といわれている。対して、ZARAの商品回転は約1ヶ月)ロングランのヒット商品を長期的に世に送り出すことに成功しています。高品質なのに、安価で購入できるユニクロの製品は「ユニクロに行けば質の高い商品を安く手に入れられる」というイメージを消費者に定着させ、独自のブランディングとポジショニングにより競合との棲み分けに成功しています。
下は、Talkwalkerのクイックサーチを使用したテーマクラウドです。 オンライン上の消費者の会話で 「ヒートテック」とともに使用されている単語が抽出されています。「暖かい」「欲しい」「おすすめ」などの言葉が多く使用されていることから、消費者に好意的に受け止められていることがわかります。
オンライン上の消費者の会話で 「ヒートテック」とともに使用されている単語
彼らは、製品開発のためのテクノロジーだけでなく、デジタルマーケティングキャンペーンにも投資しています。数年前、ヒートテック製品の認知度をさらに高めるために、デジタルサイネージを活用した「高速画像」キャンペーンを世界で初めて展開しました。
このキャンペーンはオーストラリアの人通りの多い場所にあるデジタルサイネージおよびオンラインで実施されました。人間の目では追うことのできない速さで変化する数字が画面に表示されます。この数字を読み取る方法はただ一つ、写真を撮ることです。消費者は携帯電話で写真を撮り、表示された数字をコードとして入力すると、特設サイトにジャンプします。そして、その特設サイト上では、ヒートテックの特徴や利点などを紹介する動画が流れ、最終的には割引クーポンを取得できます。
このキャンペーンでは、SNSチャネルも組み合わせていました。参加者はSNS上でこの体験を家族や友人とシェアし、彼らにもコードを入力させ、割引クーポンを獲得するように勧めさせるという導線を作ることに成功しました。結果として、400万人を超える参加者と35,000人を超える新規顧客を獲得し、SNSにおける小売およびeコマース部門のShorty Awards最優秀賞を受賞しました。
このキャンペーンを解説した動画はこちら
ユニクロは顧客体験を重視しています。この姿勢は日本国内だけではありません。店内でよく聞く「ユニクロへようこそ!」という挨拶は、海外店舗でも徹底しており、どの都市の店舗に行っても同じショッピング体験ができるようになっています。
全世界に展開している同社は、接客について細かく設計されたプロセスを確立しています。すべての店舗で同じ顧客対応を提供するために、従業員は顧客との接し方、お釣りを返す際は両手を沿えてしっかり目を見て渡すといった一貫したトレーニングを受けます。
「ユニクロでは、会社の最大の資産は人であると信じています。そのため、お客様に対して「ようこそ、ユニクロへ!」と熱心に挨拶をし、最高のショッピング体験を提供するために日々努力を続けている素晴らしいチームメンバーに感謝しています。彼らのおかげで、働きたい会社1位※を獲得できました」
※@straits_timesと市場調査会社Statista社が実施した、シンガポールのBest Employers 2020のランキング。この写真は、2019年8月7日に撮影されました。
ユニクロは、LifeWearというコンセプトを導入しました。これは、価格はリーズナブルだけれど長期間使用できるようにデザインされた服を示します。この理念により、原材料や製造工程に対する意識の高い消費者を引きつけました。
このLifeWearのコンセプトは、同社による「持続可能な社会の実現」への取り組みを象徴しています。このコンセプトを押し出すことで、環境問題に関心を持つ顧客とつながることができます。もちろん、対象となる顧客は日本国内だけではありません。
また、プラスチック廃棄物を作らない取り組みを通じて世界のサステナビリティをさらに促進するために、エコバッグを発売しました。
オンラインストアは実店舗に対する脅威として考える企業もある中、ユニクロは、顧客のタッチポイントがこれまで以上に複雑化していることを認識し、異なる視点で捉えています。
「ネット販売サービスを拡大するほど、顧客が実店舗で商品を購入する傾向が高まることに気づきました」とCEOである柳井氏は述べています。「たとえば、中国の顧客は店舗に行って商品を探すのではなく、ネットで見つけた情報に基づいて最も魅力的だと思う商品を選ぶ傾向があります。新商品を発売すると、顧客はSNSで商品に関する情報を活発に共有し、オンラインと店舗の両方で売り上げを伸ばしています」
消費者の行動は常に変化しています。欲しいものを欲しいときに買うことができることをこれまで以上に期待しています。そして、eコマースは間違いなく、そうした需要に応えてくれるプラットフォームです。ユニクロは実店舗とオンラインを相乗的に運営するという点で優れています。他のブランドもぜひ見習うべきポイントでしょう。
柳井氏の積極的な拡大戦略は業界内では有名です。彼の究極のビジョンは、世界のナンバーワンブランドになることです。そして、同社が長年にわたって成長してきた手段の1つは、数え切れないほどのコラボレーションです。
まず、テニスの世界チャンピオンであるロジャー・フェデラー(Roger Federer)や世界クラスのプロゴルファーであるアダム・スコット(Adam Scott)など、日本をはじめ世界的に有名な人物とコラボレーションしています。
そして、世界中のトップブランドやデザイナーとのデザインコラボレーションを開拓し、多種多様な顧客層にアプローチしています。
長場雄とルーヴル美術館との名作コラボレーション
UTme!のディズニー映画のポスターコレクション
Coming next week: All-new styles featuring the famous work of #NYC artist #keithharing. https://t.co/M5zcT2wzoO #UniqloUT #MadeForAll pic.twitter.com/vLsqDTwMDP
— UNIQLO (@UniqloUSA) July 22, 2019
国際的な写真家集団「マグナム・フォト」作品の #UT コレクション
Coming next week: All-new styles featuring the famous work of #NYC artist #keithharing. https://t.co/M5zcT2wzoO #UniqloUT #MadeForAll pic.twitter.com/vLsqDTwMDP
— UNIQLO (@UniqloUSA) July 22, 2019
いかがでしたでしょうか?
ユニクロは、自社製品がブランドにとって最も効果的なマーケティングツールであることを認識しています。優れた顧客体験を提供し、顧客が関心を持っている話題についてコミュニケーションすることで、深いつながりを構築しています。また、オンラインストアをうまく活用して認知および購入を促進させるほか、世界中で活躍しているスポーツ選手やデザイナーとコラボレーションすることで、より多くの人々にリーチする機会を常に探っています。
商品の背景にあるストーリー、起用しているインフルエンサー、地域に合わせたSNSコンテンツなど、ユニクロには明白なブランドストーリーがあり、ブランドの価値観と目的を正確に伝えるコンテンツを制作しています。こうした活動によって、オーディエンスとのつながりを強められるのです。
Talkwalkerでは「ユニクロ ブランドレポート」を発行しました。本レポートは日本およびアジア太平洋地域におけるユニクロの消費者インサイトをご紹介しています。ぜひ貴社のマーケティング活動にお役立てください。