2020年、パンデミックによるロックダウンや移動規制が始まったことで、消費者の生活の中心は自宅やネット上になりました。飲食料品業界では、その影響や毎日変わる消費者行動への対応に追われていました。
食品業界のトレンドに関するTwitter上での会話は増え、トピックはブームの食品、胃腸の健康、手作りパン、低糖質ダイエット、サステナビリティなどにわたりました。
サステナブルな食品に関するTwitter上の会話の46.5%がZ世代によって行われていました。このことから、消費者やブランドが食品を調達、使用、リサイクルする方法を改善しようという意識の高まりがうかがえます。
消費者の間で環境問題への関心が高まっており、自身と地球の両方にとってメリットがある健康的な選択肢を求める人が増えている中、食品が果たす役割についての会話が増えてきていることは明らかです。
フードデリバリーに関してよく使用されている絵文字には、ハート、ピザ、クッキー、赤ワイン、ポテトフライ、祈る手、ハンバーガーなどがあります。
食品業界のトレンド
食品業界のブランドは2022年に向けて、2021年から引き続き拡大が予想されるトレンドを抑えておく必要があります。本レポートでは、食品業界の今後のトレンドに関する重大な消費者インサイトに加え、トレンドを活かすためのヒントや戦略など、以下の内容について解説しています。
- 詳細を把握
自社のオーディエンスの属性やインサイトをマーケティング戦略の中心に据えましょう。 - 消費者を把握
食品業界を含め、あらゆる業界において、今は消費者が主導権を握る時代です。消費者が何を言っているかが最も重要です。 - 最新情報を把握
リアルタイムの消費者インテリジェンスを取得して、変わりゆく状況を常に把握できるようにしましょう。
本レポートでは、食品業界のブランドにすぐにご活用いただけるよう、実用的なインサイトをわかりやすく示しています。以下に内容の一部をご紹介します。
植物性タンパク質のチカラ
本レポートで取り上げている食品業界の大きなトレンドの一つが、代替肉です。酵母、藻、そして昆虫などが話題になっています。代替肉に関するTwitter上の会話のなんと87.8%が植物性タンパク質です。
一定期間における植物性タンパク質の結果数を見ると、このトレンドはポジティブなセンチメントが多いことがわかります。
ビーガン食の人気が高まりつつある昨今では、昆虫由来のタンパク質や動物性タンパク質よりも、植物性タンパク質の方がTwitter上では多く話されています。全体的に、通常の肉製品に比べて代替肉の方がヘルシーだと思われています。
また、2020年に種子類などのスーパーフードに関する会話がTwitter上で27.1%増加したことを発見しました。それだけでなく、キノコ類に関するメンションも増加しており、今では9番目に人気のスーパーフードとなっています。2021年にはこれらの投稿のセンチメントが84.4%でポジティブになっています。
キノコ類は美味しく食べられるだけではありません。キノコの繊維は食品以外にも活用され、世界最大級の家電・技術展示会であるCES 2021でMercedes Benzがキノコ繊維で製造した座席を搭載したコンセプトEVを発表したことでさらに注目が集まっています。
キノコに関する会話から抽出したキーワード。健康志向の消費者はすでにこの最新トレンドを実践しているようです。
食べられるパッケージ
「35%の消費者が、パンデミック前よりもサステナビリティの認証を受けたブランドを選ぶようになっています」
サステナビリティに関してブランドができることはたくさんあります。消費者からのサステナビリティの要求が高まる中、食品業界は知恵を絞って対応しています。例えば、土に還るストローや食べられるストロー、再利用可能な袋や容器、こんにゃく粉やでんぷんで作ったラップなど、生分解可能でサステナブルなパッケージの開発が行われています。
食べられるストローは健康に良いだけでなく、環境にも良いです。Twitter上の環境問題対策に関する投稿のうち54.4%が、「プラスチック」という単語を含めた食品関連の内容だったことからも、ブランドがこのトレンドを無視することはあまりにもリスクが高いです。食品の未来に適応することは今や不可避です。消費者は環境に優しい選択肢を求めています。
健康的な習慣
ケト、地中海式、パレオダイエット、ビーガン食、断続的断食など、さまざまなダイエットの人気が高まる中、人々はそのメリットとデメリットについて話しています。
減量は常に人気のトピックですが、外出自粛が続いたためにこのトレンドは以前にも増しています。最もよく話されているダイエットは、減量に効果的だという理由で断続的断食です。Twitter上のダイエット関連の会話のうちで13.9%という最も高い割合を占めています。
ダイエットに関する会話クラスター。断続的断食、グルテンフリーのベーキングレシピ、ビーガン、ケト、消化管の健康、水、パレオ、グリーンチーム、デトックス、栄養など...
本レポートでの分析方法
本レポートのインサイトはTalkwalkerのソーシャルインテリジェンス製品を使用して取得しました。抽出対象は2020年1月から2021年11月のTwitterデータです。分析は2021年の情報を中心に行いましたが、レポートの性質を考慮し、2021年のデータとの比較統計を主な目的として2020年1月から10月の情報も参照しました。
クエリは、食品とサステナビリティの関係、人気のダイエット、スーパーフード、代替肉などのトピックを特定するために使用しました。一部の分析においては、誤検出を減らすためにブール演算子を使用してクエリの精度を上げました。また、検出結果を特定の場所やカテゴリーに絞り込むためにフィルターを使用しました。
さらに深い分析を行うため、センチメント分析、動画分析、画像認識など、TalkwalkerのAIエンジンを搭載した機能も使用しました。センチメント分析は平均90%の精度を誇り、皮肉や嫌味を含むコメントも正しく分析できます。画像は30,000個を超えるブランドロゴを含むデータベースと照合され、写真や動画に含まれるブランドを特定します。
まとめ
Twitter上の会話に見られるトレンドの多くは上昇傾向にあります。しかし、その度合いは異なっています。数値を見ると、さまざまな属性において消費者は企業がサステナビリティへの対応を強化することを求めていることがわかります。食品ブランドは消費者が考えていることを把握し、それに関連したサービスを提供する必要があります。
ここでご紹介した内容は一部にすぎませんが、要点としては、消費者のサステナビリティに対する意識が高まっていることにより、特定のトレンドが顕著になりつつあるということです。食品業界のブランドは適切な消費者インサイトを取得して、消費者としっかりとつながる必要があります。
Twitterレポートをダウンロードして、消費者インサイトを今すぐビジネスに活かすためにできることをチェックし、先手を打ちましょう。