Talkwalker Blog (日本)

テスラ社のSNS戦略を分析!自動車業界でも注目されている彼らのSNS戦略とは?

作成者: Talkwalker (日本)|6月 30, 2020

 

自動車は個人のステイタスにもなり、また個人の性格を表すシンボルとしても捉えられます。海外のメーカーを好む人もいれば、国産の自動車メーカーにこだわる方もいます。

自動車メーカーは、この傾向を長年にわたって理解しており、各社の自動車におけるマーケティングとブランディングに関しては、意欲的に投資をしています。誰もが夢見るような広告を作成したり、ショウルームでは、圧倒される最新のデザイン・機能を備えた自動車を並べ、人々を魅了させます。もちろん、これらは彼らのマーケティング手法の一環です。

今日の自動車業界では、テスラ社のような新しいブランドがより存在感を増していく中で、BMW、フォード、メルセデス、フォルクスワーゲン、トヨタといった有名ブランドは、電気自動車や自動運転といった課題に直面しています。

Twitter上でのエンゲージメントを各社比較した結果がこちらになります。テスラ社はBMWやフェラーリを抜いて、抜群にエンゲージメント率が高い結果が出ています。 データソース:Twitter、2017年7月23日〜8月19日。

車の購入を検討している消費者の95%以上が、SNSチャネルを使用して車に関して調べています。 ソーシャルメディアは、レビューをチェックしたり、仲間の意見を聞いたり、インフルエンサーをフォローしたりするための最も人気のあるチャネルです。 まさに、バーチャルショールームのように、市場に出ている最新の製品の情報を見に行くことができます。

その中でも、テスラ社が実施しているマーケティング戦略とは一体どのようなものなのでしょうか?本ブログでは、彼らが行っている活動を紹介していきます!

テスラ社に関するSNS分析をしたレポートはこちらから無料でダウンロードできます

テスラ社が掲げるSNS戦略とは?

まず驚くべき点として、SNSをターゲットにした彼らのマーケティング戦略から見えてきたテスラ社の影響力が挙げられます。テスラ社は2003年に設立された企業になります。その他の大手自動車メーカーと比較してもまだまだ若いブランドと言えるでしょう。

しかしながら、SNSのデータ上でも彼らの存在力は大きく、フォルクスワーゲン社やトヨタ社を上回り、上位3位以内に入っています。

SNS分析ツールを展開する中で、様々な業界を跨いでソーシャルリスニングを実施していますが、そこから得た経験として、大手のメーカーは中小企業よりも優れている点が多々あります。その理由として、彼らはより大きなリソース、資金、従業員などを抱えていることが挙げらえます。もちろんその中でも例外はありますが、競合他社のほぼ30分の1の規模である企業が、彼らよりも優れた業績を上げることは印象的と言えるでしょう。

以下のグラフは、世界最大の自動車ブランド29社を選定し、SNS上で最も投稿量が多かったブランドをリスト化したものになります:

大手自動車ブランドに関する投稿数のパフォーマンス。データソース:Facebook、Instagram、Twitter 2017年7月23日〜8月19日。

ご覧の通り、テスラ社は3位にランキングされています。では、どうやって彼らはSNS上での言及数をここまで増やしたのでしょうか?

イーロン・マスク氏| CEOが自らSNS上で発信

SNS上での発言が問題視されたり、炎上する事件が増えている中で、ビジネスにSNSを使用することをためらっているCEOは多々存在します。 彼らは発言内容を注意深く選び、 論争を避けようとする傾向があります。そういった中でも、テスラ社のCEOであるイーロン・マスク氏は、まさに逆の道を切り開いているCEOとも言えます。彼のイメージ(良い点も悪い点も含む)はブランド事態に大きな得今日を与えており、テスラというブランド認知と評価は、彼の行動によって大きく左右されているとも言えます。

SNS上での存在感や投稿数を増やす上でも、マスク氏のSNS活動はとても重要なマーケティング活動ともいえるでしょう。彼は、YouTube上でも積極的に活動をしています。スウェーデン出身のYouTuber であるピューディパイ氏(PewDiePie)とチームを組み、彼の冠番組であるMeme Reviewをホストしたり、アメリカのテレビアニメ、リック・アンド・モーティー(Rick and Morty)のクリエイティブであるジャスティン・ロイランド氏と組んで評価をしたりといった、他のCEOとは異なる活動をしています。

残念ながら、このようなSNS活動は、裏目に出る可能性があります。2018年では、生配信されていたインタビューの最中に、マスク氏の発言が投資家たちを混乱させたり、またカメラの前でウイスキーを飲むという行動は実際にテスラ社の株価を下落させました。皮肉にもこのようなマスク氏の行動はブランド認知を上げていく一方で、SNS上の炎上防止対策やリスクマネジメントという分野の必要性をテスラ社の中で優先事項となりました。

マスク氏は、帰宅中のドライブの際に新しいビジネスのアイデアを共有したりといったような身近にSNS上で活動することを好んでいます。彼はフォロワーたちに、自分が今何に注目していて、興味を持っているかを伝えようとしています。もちろん、彼の意見は物議を醸す可能性がありますが、彼自身はそのようなことに気にしている様子はありません。

マスク氏のSNSマーケティング戦略とは?-恐れずに、全てを見せること!

テスラ社のSNS戦略とは?

このアプローチは、すべての人に役立つわけではありません。 すべてのCEOが彼と同じような行動をすることは想像さえも尽きませんが、彼はまさに王道のCEOがとる行動から真逆を行くタイプと言えるでしょう。会社はガイドラインとして設定しているツイートの規定を無視したり、動画を流したりといった行動は、まさに彼しかできない行動です。

実際に、テスラ社は月に4回ツイートをしていました。なぜ4回だけなのでしょうか?この少ない回数の活動にも関わらず、ブランドは大手自動車ブランドについて最も話題になった上位3位に留まっています。

なぜこのような結果に?

ツイートは少ないほど良い結果が?!

こちらは、分析した中で、最も共有されたツイートでした。 他のブランドがすぐに真似できるマーケティング戦略ではないかもしれませんが、少ないツイートの方が効果的に伝えらえることもあります。

人々に注目される発言

それでは、テスラ社におけるSNS戦略が成功した秘訣は何でしょうか?

今回ご紹介したように、CEOであるマスク氏の考えやアイディアが多くの人に伝わったという点が成功した要素の一つといえるのではないでしょうか。彼は、常にイノベーションにまつわるトピックスで発言しています。例えば、環境にやさしい電気自動車、スマートソーラーパネル、スマートバッテリー、プライベートな宇宙探査、宇宙人の話など...

マスク氏のSNS・メディア戦略!

彼の発言はエキセントリックに捉えらえる場合もありますが、注目を浴び、興味を沸かせるコンテンツになっています。

テスラ社が電気自動車や自動運転などのトピックに最も関連している自動車ブランドであることはSNS上でも立証されています。一方では、その他の大手自動車メーカーがこれらの分野でテスラ社以上ではないにせよ、同じくらい多くに投資しているのも事実です。 以下のグラフは、電気自動車をテーマにした各ブランドによる会話の割合を示しています。

テスラ社は、電気自動車についての投稿量で圧倒的な首位を誇っています。データソース:Facebook、Instagram、Twitter 2017年7月23日〜8月19日。

では、世界最大の電気自動車の生産者は? 実は、テスラ社ではありません。ルノー・日産社です。 テスラ社は、彼らが大手自動車メーカのライバルよりも上回るほどのブランドイメージを作り出すことに成功しました。

人間味のあるブランド作りを

すべてのブランドが、テスラ社が行ったように、CEOを自分のブランドのイメージにすることはできません。BMW、トヨタ、フォードなどのブランドたちは、すでに確立されており、彼らの創設者がマスク氏のようなカリスマ性もしくは「異常」ともいえるキャラクターを持っているわけではありません。

しかしながら、業界に関係なく、SNS上で個人が考えているアイディアをシェアすることは、そのブランドにより人間味を与えてくれます。それがCEO、Cレベル、または従業員であるかどうかにかかわらず、消費者はブランド(特に大きなブランド)の背後にある人々と価値観にますます関心を寄せていく傾向があります。

SNSは、安全装置機能が存在しないプラットフォームとも言えます。その中で、時にはCEOの発言がポジティブに捉えられ、SNS上で大きな存在になるチャンスもあるでしょう。もしくは、炎上のターゲットにされ、ブランドイメージが下がる可能性も否定できません。

テスラ社から学べる点として、その両方を備えたプラットフォームであるからこそ、恐れずに自分の考えやアイディアをフォロワーと共有することで、その他大勢のブランドから突起したSNS・マーケティング戦略を実行することができます。

テスラ社に関する公開されているSNSデータを活用したレポートでは、どのように会話を分析し、モニタリングしていくのかをご覧いただけます。是非社内用のレポート作成の参考にしてみて下さい!

参照元:
How People Buy Cars in 2017
Who is the World's Leading EV Maker? It's not Tesla (Forbes